花咲く時

ついこの間までは、小さな「つぼみ」だった桜。
その後、二日ほどで膨らみ、三日目には開花するものも出てきた。
そして、一週間もするとほとんどの「つぼみ」が開花していた。

春休み、毎日、同じ場所から写真を撮りながら、「彼らもこのくらいわかりやすく花咲いてくれれば、教師冥利につきるのに…」なんて生徒たちの姿を思い出す。
「いやいや」と、首を横に振りながら、「ここを卒業する時、卒業してからが彼らの花咲く時なのだ」と言い聞かせる。

青い夏、渇いた秋、尖った枝が剥き出しになる冬。
そのような長い期間を経て、桜は「つぼみ」つけ、花咲かせる。

君もそうだ。そんな時期が長く続くこともある。
それは必要なことで、それを焦る必要はない。
君が花咲く時は、必ず来るから。