昨日から引き続き、「ツツジ」について…。
校長先生もこの「ツツジ」に魅せられていたようで、『朝の心』にて、この「ツツジの花」について扱ってくださいました。
この地で花を咲かせるということにはとても深い意味があるようです。
「2022年4月18日(月)晴れ 朝の心
校門を入るとその緩やかな坂道の体育館・校舎側に、ツツジの花が今を盛りと咲いているのに、君は気づいているでしょう。
君の心が潤うようにと、君の先輩たちが学園創立後の間もない頃、ツツジの苗を土手に植え込んでくださったのです。その頃はまだ長崎浦上の土地には、原爆の後が生々しく残っていましたし「放射能を受けた土地だから緑は何十年も育たないだろう」と言われていたのです。
しかし、その土地に希望を持って植えられたツツジは、その悪条件にもめげず立派に育ち、美しい花々を咲き揃えたのです。私が中学1年生で入学した時には、今から55年も前のことですが、もうすでに今と同じようにたくさんの花を咲き揃えていました。
君は知らないかもしれませんが、今、南山のこの校舎が建っている同じ土地には、長崎県立工業高等学校があったのです。原爆の爆風と放射熱のために校舎は壊れてしまい、生徒も職員も多くの方々が犠牲になられました。そして、工業高校としての教育をいつまでも中断させてられないということで、岩屋山の麓の方に新しい校舎を建てて、新たに出発したのです。
その工業高校が去った跡地、爆心地に近いこの土地を譲り受けて、長崎南山学園は創立されたのです。みんなが放射能を恐れて爆心地から離れて行こうとしていたその時代に、逆に言ってみれば、その真ん中で南山は始まったのです。
君は今、とても苦しい思いの中にいるのかもしれない。しかし、どうかツツジの花を見てほしい。良い条件が揃うどころか放射能が残る土に根を張り、かえってその只中でたくましく育ち、きれいな花をつけているその姿に素直な心で感動してほしい。みんなが避けて遠ざかって行った土地に、堂々と創立されたこの学園の校舎を仰ぎ見てほしい。
月曜日というだけで気落ちしてしまう君ではないと思いますが、それでも土曜・日曜と明けて月曜日となると、今一気乗りしないかもしれません。それでも自分を励まし、かえってこの週の初めの日をしっかりと自分のものとして活用するよう意識してこの一日をお過ごしなさい。お掃除の時でも休み時間でも、今一度改めて校門のスロープの所のツツジを見てご覧なさい。」
南山では毎朝、このような『朝の心』を聞くことができます。
君の歩む道に彩りを与えてくれる西校長の『朝の心』が聞けるのは長崎南山学園だけです!