声で援護

「声を出しての応援はできません」「密にならないよう間隔を開けて」と、正反対の応援スタイルを求められて小学校高学年を過ごしてきた中学生には、“声で援護する”ことの効力を実感するには良き機会だったかと思います。

会場に向かう前に全校での応援練習。
部活動の声援に馴染みが深い生徒は高校生のリードに合わせて声をあげていました。
しかし、「こんな行為に意味があるのか」と言わんばかりに、いまいち気乗りしない様子の生徒もいました。
彼らからすれば、今まで大声を出すことを否定されてきたことがいきなり肯定され始めて、促されるのですから違和感を覚えて当然だと思います。
試合中、2トライの劣勢からスタートしましたが、後半戦の追い上げに、さほど気乗りしていなかったはずの「彼」が、興奮を抑えきれずに声をあげる姿を見かけました。
人に思いを寄せて、“声で援護”する。
一人の少年がまた一つの経験と価値観を生み出した瞬間に立ち会えたような気がしました。