「天」と「地」にいた二人の想い


9月下旬、長崎南山のペトロホールにアメリカ出身の男性の姿があった。
彼の名前はアリ・ビーザーさん。

エノラゲイとボックスカー。
この名に聞き覚えがあるでしょう。
広島と長崎に原爆を落とした機体の名前です。
アリ・ビーザーさんの祖父はその機体の搭乗員でした。

そして、もう一人、原田小鈴さんの姿もありました。
原田さんの祖父は、広島と長崎の二つの地で被爆した二重被爆者です。

1945年8月6日・9日の両日、文字の通り「天」と「地」にいたそれぞれの祖父は、何を考え、何を思っていたのか。

アリさんの祖父は、「核兵器は使用すべきではない」と言い続けていたそうです。
しかし、その懇請の願いも虚しく、多くの方が犠牲となりました。
アリさんが世界を回り語る言葉とは何か。
短い時間で、彼の思いを知るには短すぎました。

"The Nuclear Family"という本をぜひ、ご覧ください。

国は違えど、ともに、核の脅威を世界に伝える立場として、貴重な話を聞くことができました。

「ことば」で語り合う時代を嬉しく思います。

―人間の尊厳のために―