この学園にあるもの

卒業を控える高校Ⅲ年生が、「お世話になりました。先生に書きたくて書きました」と手紙を持ってきてくれました。

-南山生、良い男でしょう?-

驚きと嬉しさで、手紙に目を通す前に、担任の先生に手紙を貰ったことを報告…。
すると、「誰かお世話になったと思う先生に書いてみなさい」と、担任団が生徒たちに便箋と封筒を渡したとのこと。
矢継ぎ早に、「ただ、誰に書くのかは、生徒たちに任せているから、意外な生徒が意外な先生に書いたりして…」とも。

-南山生、まぁ、そんなもんです-

少し気を落として手紙に目を通す…。
あれ、何だかぼやけるぞ…( ;∀;)

-南山生、駆け引きしないまっすぐ勝負です!-

文章、上手くなったなぁ。
何か、大人びたなぁ。
手紙くれた時の雰囲気もキラキラしてたなぁ。
そんな感想を抱きながら、しばらく天井を眺めていました。
成長っぷりが嬉しくて。

何か特別なことをしているわけではない。
何か特別なものがあるわけでもない。
この学園にあるのは、たくさんの些細な『きっかけ』。

-そして、そんな『きっかけ』から大きく羽ばたこうとする想い-