普通という概念とは

まだ私が教員になりたてのころ、当時勤めていた副校長から「将来どんな暮らしがしたいか?」と問われた私は「普通の生活で満足です。」と答えました。
副校長はそれに対し、「普通ってどういうこと?」と質問をされました。
普段、何も考えず「普通」という言葉を使っていた私は答えに困りました。
ニュアンス的には「当たり前」だとか「良くも悪くもない」というものだと思っていましたが、改めて意味を考えると、確かな答えを出すことはできませんでした。
あれから10年以上も経ち、いくつかの学校と様々な子どもたちとの出会いを通して学んだことは『「普通」という概念はない』ということです。
もちろん、この世の中には社会通念という「普通なら」といえるものがありますが、決してそれは万人に通じるものではないと私は思います。
「普通」というあやふやな概念に囚われると、人の視野は狭くなり、差別や偏見をも生み出すことでしょう。
なにより、この世の中のことは常に移り代わりゆくものです。
ですから、これまで当たり前とされたことは当たり前ではなくなるのです。
決して、世間や周りのいう「普通」に惑わされてはなりません。
私が選ぶ道、あなたがたが選ぶ道を信じ、歩んでいきましょう。