平和への誓い

7月20日(土)に原爆資料館ホールで行われた【ナガサキ映画と朗読プロジェクト】。
映画と朗読によって、核兵器廃絶、非戦平和、被爆体験の継承を実現し、世界へ発信することを目的としています。
このイベントの中で、長崎市内の高校の放送部員たちが、『平和への誓い』を朗読します。

昭和45年(1970年)8月9日、長崎市平和公園で行われた平和祈念式典において、『平和への誓い』が被爆者代表、辻幸江さんによって読まれました。
それから、これまで延べ54名の被爆者の方々が、毎年、ここ浦上の地から世界に向けて、その思いを伝えて来ました。
この、長崎における朗読の原点だとも言える『平和への誓い』を、南山の代表として朗読したのが、1年生の濱ヒカルくんです。
濱くんは南山中学校出身で、これまで南山の一員として平和について考えてきました。


今回代表となり、原稿を読む上で意識したのは「被爆者の思いを正しく伝えること」です。
朗読用原稿としてではなく、話し言葉で書かれた誓い。戦時中のことが記述されているため、難しい用語もたくさん出てきます。
漢字の読みや意味を調べることから始め、アクセントや間の取り方を工夫して、約3分の原稿を読むために、二ヶ月以上前から練習を重ねてきました。

そんな濱くんが大切にしていたのが、誓いの言葉です。

原稿の一部を抜粋します。

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あの日の、長崎市民は、みな、だれでも、人類の子であります。
あの日の、広島と長崎は、人類の広島・長崎であります。
その両市への原爆投下は、人類への投下であって、向かうべき人類の真理に背き続け、それを正当化し、肯定し、擬制するものではありません。
私はこれ からも、核兵器のない世界の恒久平和を願って、足元から微力を尽くすことを申し上げ 「平和の誓い」をさせていただきます。
二〇〇七年八月九日  被爆者代表 正林克記

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被爆者の決意と祈りが伝わるように声のトーンや速さを考えて読みました。

2024年を生きる私たちが平和のためにできることはなんでしょうか。
私たち一人ひとりが、それぞれがいる場所、与えられた役割の中で、そのことを考えていきたいものです。

ナガサキ映画と朗読プロジェクトの様子はYouTubeでも配信されています。